188人が本棚に入れています
本棚に追加
「……虫が嫌いなのです」
多少の虫は平気であるのだが、足が多いもの、
蜘蛛やムカデ、ダンゴムシなど大嫌いであった。
「それと、根気がありません」
何年も考えて野菜を作ってゆくなど、俺にはできない事であろう。
「それと、俺、電気が見えるのです」
最後は誰にも信じて貰えない事であった。
今も、信哉の手足に流れる、電気信号が見えている。
「……うん。そんな感じだよね。氷花君は、俺の悪い所を、説明しなくても凝視している。
見えているからだよね」
信哉の言葉には、嘘はない。
「でも、氷花君。それは、どうして俺に言ったの?他の人には秘密にしているのでしょう?」
それは、どうしてなのか。俺にも、よく分かっていなかった。
最初のコメントを投稿しよう!