第八章 夏は草に埋もれて 三

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 少し窓を開けて、空気を入れ替えてから、再び考えてみる。 すると、俺は信哉に信じて貰いたかったと気がついた。 でも、こんなオカルトを言ったのならば、信じて貰えなくなるだけであった。 「忘れてください」  これは、否定しておこう。 でも、信哉は溜息をついていた。 「忘れてあげてもいいけどね」  信哉は、又、歌をうたっていた。 俺は、景色を確認しながら、ふと、仕事をしてしまっていた。 「あ、新規部品の図面が届いた」  機密情報であるのに、俺の個人の端末に確認の図面が入っていた。 これは、機密上、問題があるのだが、図面を見てしまった。
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