第八章 夏は草に埋もれて 三

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 もうすぐ家なのだが、小さな神社に車を止めて、信哉を降ろす。 俺は、車椅子に手を掛けると、神社の急斜面を見た。 「登ろうとしていないよね?」 「登ります!」  信哉から、抗議の声があがっていた。 かなり急斜面であるので、落ちたら怖いという。 「冗談ですよ。ちゃんと、用意しています」  手摺りに付ける、運搬装置であった。 駅などにあるものを参考に、慶松と作成してみた。 「試作品なのかな?」 「そうなのです!」
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