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手摺りに付けると、信哉を簡易座席に座らせる。車椅子は、俺が担いでみた。
「あ、引っ張った方が楽だ」
そこで、車椅子を引っ張りながら、ゆっくりと登る、自動運搬装置の速さで登ってみた。
「ここ、夏祭りがあるのですが、この坂を上るのが大変で……」
もう登れないと、諦めている祖母を思い出し、つい作ってしまった。
「でも、この上で見る花火が近くて、綺麗なんですよ」
木々が茂っていて、階段の空をも隠していた。
ここは、神社の森で、伐採がされていない。
「ここには、御神木がありまして、すごく古い木です」
夏祭りの日、もっと近くで花火を見たくて、人目を偲んで、御神木に登ってしまった。
神社の屋根を下に見ながら、枝に隠れていると、祭りの光が見えていた。
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