第八章 夏は草に埋もれて 三

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「お腹を壊さないようにね」  そう言いながらも、信哉もガブ飲みしていた。 「冷たくて、美味しい!」  凛とした味なのだ。  賽銭を入れて、社務所に向かう。 そこで、お守りを購入していると、信哉が驚いていた。 「人がいるのか……」 「近所の人がボランティアで、時折、いるのですよ」  ここのお守りは、御神木の折れた枝で作成している。 身代わりの木札で、板に身代わりと文字が書かれ、赤い紐を通しただけのものであった。 「お守りを購入するのか……」 「ここのお守りは特別ですよ」  これもオカルトになるが、ここのお守りは特別なのだ。 俺は、古い木札を信哉に見せた。
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