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「……静香の惚れた相手は、大変みたいだね。多分、言っても気付かないだろうし」
「浅見さん、潔癖症以外は完璧ですから、きっと相手にも分かって貰えますよ」
浅見は、潔癖症さえ無ければ、いい女性だと思う。
ただ、その潔癖症が問題なのだが、本人も努力しているので、
いつかはどうにかなるのではないのか。
「浅見さんの、潔癖症……は、凄いですけどね。
俺なんか、視界に入るだけで殺菌されそうですよ。それに、机も電話も、
全部殺菌されています。毎日、それも日に二回とか……」
浅見は手袋をして、殺菌しに来るのだ。俺は日々、黴菌になった気分であった。
いっそ、俺が殺菌液に浸かった方が早い気もする。
でも、日々黴菌扱いなので、殺菌液に浸かったら、
俺が溶けてしまうかもと思うようにもなった。
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