第九章 夏は草に埋もれて 四

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「大学三年で、就職活動の最中でした。相田が一泊させて欲しいと言ってきました」  それは、構わないので泊めて、あれこれ、たわいもない事を話した。 そして、相田は消えてしまった。  相田の友人にも聞いたが、何もトラブルは無かったという。 「そして、相田は行方不明だと聞いています」  そこで、信哉は俺の肩を後ろから叩いた。 「家はそこでしょ?土産を持って、聞いておいで」  気にしているのだから、聞いた方が早いのか。 「そうします」  俺は、車を空き地に止めると外に出た。 適当に土産を漁ると一つ取り、相田の家へと向かってみた。
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