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「お父さん、護浩ちゃんよ。氷花さんの家の次男坊。ほら、お人形さんみたいな子よ」
相田の母親は、俺を無視して、家の奥に声を掛けていた。
中から男性が靴を履きながら出てきた。
「本当だ。護浩か。すっかり大人か……。でも、随分と美人になったな……」
「相田はいますか?」
そこで、夫婦は顔を見合わせた。
「前に護浩ちゃんの家にも聞いたけどね、
重満(しげみつ)は行方不明のままよ……もう五年になるかしらね……」
やはり、俺のアパートで泊まった後から、消えてしまっていた。
「何かあったのですか?俺、何も聞いていなくて……」
相田の両親は、失踪するまでの悩みなど知らないという。
相田は、いつもニコニコしていて、あちこちで遊んでいた。
飲み仲間も多かったが、皆、悩みなど聞いていなかった。
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