第九章 夏は草に埋もれて 四

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「……あ、象の木彫り」  どういう品を取り扱っているのであろう。 でも、取り扱っている品物を聞くと、建物の建材などであった。 象やスカーフは、手土産に持たされるらしい。 「家のインテリアにと、持たされたりするらしい」  信哉もよく中を見ていなかったらしく、一緒に漁ってしまった。 「それと、有真君と御調君には、これね」  封筒を渡されたので、有真が辞退すると、信哉が首を振った。 「ごめん、お金ではないよ」  そこで有真が受け取って封を開くと、有名な遊園地の、フリーパスが二枚入っていた。 それと、そこで使用できる商品券も入っている。 「俺が貰ったのだけどね、この足では不自由でね。使ってね」  御調の封筒にも、同様の内容が入っていた。 「あと、図書券も余っていてね。二人で分けてね」  図書券まで貰ってしまっていた。
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