第十章 夏は草に埋もれて 五

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 俺は、相田の家でバスを降りると、畑の中を走って家に帰っていた。 相田は俺の姿が消えるまで、心配で見ていたという。  それも、神社のせいで、 皆が、俺はきっと神様が持っていってしまうと言っていたからだ。  俺と相田は、よく一緒に遊んだが、品治と俺ほど本音で喋る事は無かった。 それは、成人する頃になって、大きな差になった。  俺は地元から出たが、品治とは連絡を取っていた。帰る時も、品治には連絡していた。 俺は、品治経由で、他のメンバーとも会っていた。  だが、品治と相田には、接点が無かった。  そこで、相田は誰にも相談できない事があった。
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