第十章 夏は草に埋もれて 五

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 そこで、相田は家を出て消える決意をしていた。 「消える……」  どうして、家出ではなく、消えると書いてあるのであろうか。 そして、どうして、こんなに文章が長いのであろう。  ふと俺は、裏の四コマを読んでみた。 それは、ささいな日常を綴ったもので、面白いが上手くはない。 きっと、大学で何かに連載でもしていたのだろう。  今度は、手紙に折り目があったので、折りながら並べてみた。 「何だ、これ?」
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