第十章 夏は草に埋もれて 五

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 折り目には、意味が無かったのかもしれない。 しかし、手紙を開いて、折り目の文字だけ読んでみると、文になっていた。 『春一は俺の子。死んで詫びる』  他の手紙も、折り目を追ってみる。 すると、美優は、相田と父親違いということを知らなかった。 美優は、相田は母の連れ子で、自分は父の連れ子だと思っていた。 美優は、相田に酒を飲ませて、泥酔の所で口説いたらしい。  相田には、その時の記憶は無い。 でも、子供が出来、美優に告げられて驚愕した。
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