第十章 夏は草に埋もれて 五

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「何だ?これ?」  品治が出したのは、日本酒サイダーとあった。それも、一ケースある。 「案外美味しい」  これも信哉に持たせておこう。 俺は、秘蔵の品を出してみた。 「じゃあさ、これ、俺の会社の試供品」  新しく出した菓子のシリーズを渡してみた。 「不味そう……」 「うん。期待はできない味だよ」  品治も混じって、宴会になってしまった。 俺の親は、品治には甘くて、料理を山ほど持ってくる。 品治は、先ほどの酒の他にも、差し入れで日本酒を渡していた。 「氷花。相田の家に行ったって?」  既に、品治の耳にも入っているのか。 「まあね。相田の家に、ちょっと寄った」  そこで、品治はあちこちに営業に行って、聞いたネタを披露してくれた。
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