第十章 夏は草に埋もれて 五

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 それによると、相田は家には全く連絡をしていなかった。 他に、友人にも連絡をしていない。 「氷花にも、連絡しないくらいだからね」  品治は車で来ていたので、ウーロン茶を飲んでいた。 「でもさ、相田に会ったという女性がいた」  その女性は、相田の家を探していたという。 品治が、理由を聞くと、物を預けられたからだと言った。  高価な物ではないが、気になるので返したくなり、家を探していたという。 「品物は何だった?」  品治は現物を見たが、何だか分からなかった。 女性に、これは何だと聞くと、苦笑いして誤魔化された。
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