第一章 木の上の神様

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「祠堂は、その後、父親の弟からの援助で生活を維持していた」  会社は、祖父が再び経営していた。 その祖父は、会社を孫に譲ると、心筋梗塞で亡くなっていた。 祖父は、朝も夜もなく、かなり無理して働いていたらしい。 「うん。氷花君の読みは当たっている。これは、かなり変だ。私も調べる事にしたよ」  画面の向こうで、遠見が笑っていた。 かなり楽しいようなので、金の動きが変なのであろう。  遠見は、高笑いすると画面を切ってしまっていた。 「……遠見さん、楽しそうだね」 「氷花は、あんまり深入りしないでね」  それは分かっている。 俺も、仕事で来ているのだ。事件は仕事に関係がない。
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