第二章 木の上の神様 二

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「でも、改めて頼んでみよう」  少なくとも、工場閉鎖までに製品を一定量確保しておきたい。 製品の代替えを選ぶにしても、期間が必要であるだろう。  朝食が終わると、部屋に戻り、再度、荷物を纏める。 すると、里見から連絡が入っていた。  里見は、今日は学校に行く日のようで、日中に連絡が取れないのが残念とあった。 送られてきた資料には、里見がいつ知ったのか、祠堂の工場の製品情報が集められていた。 製品については、俺も、事前に調べてはいる。  しかし、その特許情報は里見の方が上であった。 「啓一さんは、教え子なのか……」  君島教授が、地元の大学で教えていた時の教え子であった。 まだ、教授ではなく、講師であったようだ。 でも、すぐに論文が評価され、教授へとなっていった。
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