第二章 木の上の神様 二

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 君島の申請した特許と、啓一の開発はリンクしている。 これは、共同開発だったのかもしれない。  しかし、映っていた写真を見て、その考えを否定する。 君島は、啓一らしき人物を見つめていた。 その目は、愛しい者を見る目であった。 しかし、啓一は君島を見ていない。 「片思いか……?」  君島は、啓一に片思いしていた。 いいや、片思いという軽い物ではない気もする。 まるで、親が子供を見つめているようでもあった。 そこには色情ではない、愛情を感じる。 「氷花、行くよ」  柴田に声を掛けられて、俺はホテルの部屋を出た。
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