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やはり、工場閉鎖という選択は誤りではない。
工場の一角にある事務所に行くと、今度はドアを開く前に、男性が出てきた。
「K商事さんですよね?お待ちしておりましたよ。
昨日は雨で帰っていただいてすいませんでしたね」
三十代半ばの男性であろうか、気さくに話しかけてくる。
「私、K商事の柴田です」
急いで柴田が名刺を差し出すと、この男性が、祠堂 啓一であった。
「氷花です」
三十代半ばではあるが、見た目は若い。笑顔が優しく、裏表もないようであった。
「工場見学からしましょうか」
荷物を置かせて貰うと、啓一は既に工場へと歩いていた。
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