188人が本棚に入れています
本棚に追加
/604ページ
祠堂の技術と話したいと伝えると、啓一は俺の名刺をまじまじと見ていた。
「氷花さんですか、珍しい名字ですね。私が技術で、営業でもあるのですよ」
閉鎖の前に、技術職は転職させてしまっていた。
給料の面もあり、生産が少なくなると、維持が難しい状況になっていた。
「この開発の試作と、特許を知りたかったのですが」
基本は、祠堂が設計していた。
「君島教授という恩師が、これを製品化できるかなと持ってきたのが、
今の製品なのですよ」
その時点で、ほぼ設計は終わっていた。
「特許の使用料とかは、どうしているのでしょう?」
祠堂は、僅かに表情を曇らせた。
最初のコメントを投稿しよう!