第二章 木の上の神様 二

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 祠堂の技術と話したいと伝えると、啓一は俺の名刺をまじまじと見ていた。 「氷花さんですか、珍しい名字ですね。私が技術で、営業でもあるのですよ」  閉鎖の前に、技術職は転職させてしまっていた。 給料の面もあり、生産が少なくなると、維持が難しい状況になっていた。 「この開発の試作と、特許を知りたかったのですが」  基本は、祠堂が設計していた。 「君島教授という恩師が、これを製品化できるかなと持ってきたのが、 今の製品なのですよ」  その時点で、ほぼ設計は終わっていた。 「特許の使用料とかは、どうしているのでしょう?」  祠堂は、僅かに表情を曇らせた。
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