第二章 木の上の神様 二

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 啓一の妻は、長女であり、下に妹がいるが嫁に行っていた。 子供がいない自分が実家に戻れないと言っていたが、 甥っ子が野菜が大好きであるのでやる気になったらしい。 「野菜、いいですよね」  特許の問題よりも、野菜の話を聞いてしまい、柴田に咳払いされてしまった。 「君島教授は、この工場以外で作るならば、特許使用料を取るとの事なのですよ」  使用させないと言っているのではないのか。 ならば、K商事の専門家に任せよう。特許をK商事で買い取ってもいい。  ここで分かった事は、君島はこの工場に思い入れがあるということだ。 そして、周期的に啓一に会っているが、手を出したという事はないらしい。
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