第二章 木の上の神様 二

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 飾ってある写真を見ても、君島は祠堂兄弟を、まるで愛娘を見るような眼差しで見ていた。 この感じならば、君島は、祠堂兄弟に危害を加えるという事もないだろう。 「君島教授は、工場閉鎖で何か言っていたのですか?」 「老朽化だから仕方がない。事故が発生しないうちに、皆を解放させてあげなさい」  老朽化で、事故を予測していたのか。 確かに、使用している機械は、よくメンテされていたが、古く、 安全装置がついていないものも多かった。 「特許は、弊社の専門家に任せます。特許の問題が解決したら、移管のお話を持ってきます。 でも、それまでに、弊社に品物をお売りください」  ここからは、柴田の仕事であるので、俺は補佐にまわる。 今の受注分だけでも、確保をしなくてはならない。
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