第二章 木の上の神様 二

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「キャベツは洗って食べるのよ。いい?これは洗ってドレッシングをかけておいたから、 電車で食べても大丈夫よ」  でも、仁美の中身は母親であった。 俺をまるで、出来の悪い小学生のごとく扱っていた。 「氷花さん、すいません、どうも、甥っ子とダブるみたいで」  啓一の小学生の甥も、畑で野菜を齧ってしまうらしい。 まるで害虫のようだと、仁美に怒られていた。 同類にされているのはショックであるが、野菜は嬉しい。 そこで、大根の葉を齧ってしまうと、仁美に睨まれていた。 「洗って食べなさい!虫とか菌とかがいるでしょう」  啓一が、俺は客人だからと宥めてくれた。
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