第二章 木の上の神様 二

22/28

188人が本棚に入れています
本棚に追加
/604ページ
 ここまで怒られて分かったが、仁美は昨日案内してくれた女性ではない。  でも明るい事だけではないようで、事務所には誰かがクレームをつけに来ていた。 「連鎖廃業すると言って、怒っているのですよ」  この工場は長く続いていた。 ここでの収益が、永遠に続くと思っていた会社もあったのであろう。  俺は野菜のお礼に、仁美に団子を渡してみた。 「あら、これ、並んで買ったの?おいしいのよね!」  他の団子も取られてしまったが、代わりにクッキーを補充してくれた。 「家で食べてね。野菜がおいしいクッキーなのよ。 ここで、通販しているから、皆にも配ってね」  すっかり営業されてしまった。
/604ページ

最初のコメントを投稿しよう!

188人が本棚に入れています
本棚に追加