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駅まで仁美が送ってくれて、そこで手を振って別れた。
電車に乗ると、柴田が会社に連絡を入れていた。
この時間に新幹線に乗れば、会社に寄れる。
「柴田、製品の確保はできたか?」
「まあ、予定分はいけるよね。でも……気になる」
新幹線に乗り換えると、柴田は何が気になったのか教えてくれた。
それは、祠堂の仕入先であった。
小さな工場が多く、本当に祠堂が無くなると廃業になる。
次の生産先に移管になったとしても、小さな工場と取引はしないであろう。
最近は、取引先の選定も厳しいので、書類選考で落ちてしまう。
柴田は短い時間でも、そこまで確認していた。
「すると、同製品とはいかないね」
パーツが変わると、どうしても、同製品としては無理がでてくる。
「そうだよね。買い込むにしても、確約がないと通らないしね。
せめて内示を貰って確保しておくかな」
大企業が引き受けたから、いい製品になるとは限らないのが辛い所だ。
やはり、採算の取れる製品というのは、お得ではないのだ。
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