第二章 木の上の神様 二

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 そこで、一旦、仕事の話から離れると、野菜サラダを食べ始める。 柴田は、駅弁を食べていた。 「美味い、このサラダ……」  これを商売にしたら、儲かるのではないのか。 「氷花は野菜が好きだよね」 「野菜は、かなり好きだけどさ。生だけが好きではない」  駅弁はコンパクトにまとまって、食べやすくなっているが、美味しさではイマイチ感がある。 しかも、栄養面では偏っている。 「駅弁か……」  俺も、電車通学をしていたので、時々、駅弁を買った事がある。 それが、百年も前からあるというもので、米の上に錦糸卵と、鶏肉だけしかなかった。  初めは馬鹿にしていたが、慣れてくると、そのシンプルな弁当が恋しくなる。 「今もあるのかな、あの駅弁」  今度、実家に帰ったら駅弁を買いに行ってみよう。  飯を食べ終わると、柴田は眠ってしまっていた。俺は、里見から貰った資料を読んでみた。
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