第二十一章 遠い雷鳴

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「そうか……私も行こうかな……」  それは、遠慮願いたい。 やはり、川越は上司であるので気を使う。 「いいえ、俺だけでいいです!」 「喜島が行きたがってね……」  川越がため息をついていた。  企画課に到着すると、松葉杖を机の横に置く。 端末を見ていると、他の問題も起きていた。  祠堂の工場は閉鎖するが、ボヤの火事が発生していた。 放火のようで、犯人は捕まっていなかった。  辺見は、妻の朝子に自殺された事で、傷心してしまい開発も進んでいなかった。 「楽斗さん、殺したのならば後始末もして欲しいですよ」  すると聞こえていたかのように、事件に続報が入っていた。
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