第二十一章 遠い雷鳴

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 朝子も男性二人も、楽斗に殺されたのだろう。 楽斗は、直接手を下さないが、追い詰める事は得意としていた。 他に、誰が事件の真相に近付いていたのであろうか。  この男性二人の素性を見てみると、 一人は農家を継ぎ、もう一人は普通の会社員をしていた。 今更、自殺をするのはおかしいとは、家族は思わなかったのであろうか。 しかし、家族が何も言わないのには、原因があった。 二人には、周期的に通う愛人の影があったのだ。 それも、男性であった。 「楽斗さん……」  相手は楽斗であった。 楽斗は、事件の真相を知る為に、近寄ったのかもしれない。 そして、楽斗は相手を死に誘った。
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