第二十一章 遠い雷鳴

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「雨だ」  雨は次第に大降りになり、部屋に入る頃には土砂降りになっていた。 「雨が強いね……」  慶松は、ラーメン屋松吉のラーメンを食べた事のない宍戸のために、 材料を店から持ってきて作っていた。 火力が違うので、やや味は異なるが、スープの味は同じであろう。 「ラーメンを食べてください」  孝弘の分もあり、テーブルに置く。 「兄さん、どうして付いてきたのです」  理由を聞くと、孝弘が黙っていた。
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