第二十一章 遠い雷鳴

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 遠くで雷鳴がして、慶松は二階の器材を止めに走ってゆく。 雷避けは付けているが、バッテリーを積んでいない器材もあるので、 停電が心配なのであろう。 「兄さん!」  孝弘が口を開こうとした時に、部屋の灯りが切れた。 「雷が落ちた?」  付近を見てみると、隣のファミレスの電気も消えているので、 一帯が停電になったようだ。  真っ暗な中で、懐中電灯を探していると、窓の外に光が見えた。 車のライトとも違うようで、誰か外に居る気配もしている。  光と共に、水音もしていた。 水の中を歩くような音もしている。
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