第二章 木の上の神様 二

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 君島がゲイだろうが、バイだろうが関係ないが、この家事のヘルパーは専属になっていた。 そこが、妙に引っ掛かる。  君島は研究者であって、開発者ではない。 その君島が、祠堂に渡したのは、製品の設計図であった。 この設計をしたのが、君島だったとは思えない。  この男性が、祠堂の父親であったならば、 同じく設計をしていたと聞いたので、製品を設計した可能性が出て来る。  俺は、遠見にこの男性の素性を知りたいとメールを打っておく。 すると、里見から回答が来ていた。  家事ヘルパーの男性は、辺見 孝太郎(へんみ こうたろう)、元教師であった。 それに、高校時代の君島の親友の弟とある。 辺見が無職になった時に、君島が家事を頼み金銭面で助けた。
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