第二十一章 遠い雷鳴

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 二階に上がって、窓の外を見てみると、ビルに落ちたのではなく、 街路樹が燃えていた。 立ち上る炎で、建物が照らされている。  位置的にはファミレスの前になる。 道路の方面より、人の声も響いている。 「きゃあああ」 「燃えている、消防を呼べ!」 「誰か、来て!」  雨の中でも、燃えるものなのか。 俺は、燃えて明るい方向を見てしまった。  怪我人が出たのかもしれない、人が表に出て騒いでいる。 悲鳴も続いているが、何が起こっているのか分からない。 しかも、又停電になっていた。  今度は、駅の方面の光は残っているので、この付近だけ停電なのかもしれない。
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