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「慶松、表に雷が落ちたみたいだ」
暗闇の階段を降りてゆくと、勝手口の方向から物音がしていた。
ドアが揺れる音もしている。
勝手口は後の駐車場の方向にある。普段は出入りに使用してはいない。
誰か居るのかとドアに近寄ってみると、ガチャリとノブが静かに回った。
勝手口が開くと、外は暗闇で雨音が大きくなった。
「……誰？」
暗闇から影が入ってきていた。
「すいません、近道してきました。驚かせてしまいましたね。又、停電ですか」
声は、岩崎であった。
俺は、岩崎の後ろのドアを慌てて締めると、鍵を掛けた。
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