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「…………」
見慣れた靴がそこにある。
ふらふらと前に進むと、慶松もその足に気がついた。
くたびれたスポーツシューズで、でも丁寧に履いていた。
濡れてしまっているが、雨はいつでも降る。
靴など、乾かせばいいだけだ。
だから、起き上がって欲しかった。
横に座ると、手を握ろうとしてみる。
しかし、救急隊に後ろに下げられてしまった。
「心肺停止しています。全身に火傷、雷に打たれた模様……」
ここに雷が落ちた後に、俺達は会っているのではないのか。
岩崎の、冷たいキスが甦る。
でも、目の前の岩崎は、燃えてしまっていた。
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