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微かに焼け残ったレインコートも、腕の時計も、岩崎のものであった。
ここに倒れているのが岩崎ならば、俺は幻と会っていたのであろうか。
「……岩崎……」
他に一名、一緒に燃えていた。
それは、確証は無いが楽斗である気がする。
手に刃物を持っていたようなので、気付いた岩崎と乱闘になったのではないのか。
「岩崎、教えて。岩崎、目を開いて!」
慶松が俺を支えているが、やはり動揺していた。
俺を押さえている、慶松の手も震えていた。
救急隊が、岩崎と楽斗を運んでゆく。
「待って岩崎!行かないで!」
行ったら、もう帰って来ない。
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