第二十二章 遠い雷鳴 二

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「岩崎君の家族には連絡をした。佐倉君には家族はいないけど、 父親の相田さんには知らせておいたよ」  信哉は、てきぱきと処理をしていた。 しかも、警察からも事情を聞き、刃物は持っていたが、パン切り包丁であったので殺意はなく、 事故で処理されると聞いていた。 「……事故、ですか」  口論はあったが、殴りあってはいない。 雷が原因であるので、事故なのかもしれない。 「岩崎は、俺達を守っていました」  いつも、守っていてくれた。 これからも、守ってくれると思っていた。 俺も、岩崎を守ってゆこうとしていた。 こんなに簡単に、未来が終わるなど、考えてもいなかった。
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