第二十二章 遠い雷鳴 二

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「氷花君、岩崎が守った命でしょ。大切にしないといけないよ」  信哉は、俺の頭を撫ぜてゆく。見ると、信哉からも、松葉杖が消えていた。 「信哉さん、杖は?」 「あ、一刻を争う状況と静香に言われて、杖を忘れて来たよ」  信哉は、浅見に泣かれるのが、かなり辛いらしい。 「全く、俺は氷花君に泣かれるのも、堪えるよ」  ため息をつきつつも、信哉はテキパキと処理をこなしていた。 動揺している岩崎の家族が病院に来られるように、電車や宿泊の手配をし、 警察への対応もしていた。
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