第二十二章 遠い雷鳴 二

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「さてと、処理は信哉さんに任せて、病院に行きましょう」  川越に言われたが、立ち上がる事ができない。 俺は、岩崎が死んだとは認めたくないのだ。 ここで待っていれば、帰って来る気がしている。 「氷花君、しっかりして。氷花君を守った、岩崎君とちゃんとお別れしないと、 一生、後悔するよ」  そうか、岩崎は最後まで守ろうとしてくれた。 俺も、最後まで岩崎を信じていよう。 「はい」  立ち上がると、少し、眩暈がしていた。 慶松に支えられて庭に出ると、川越の車が停まっていた。 「私が運転するから、乗りなさい」  川越も、佐倉の件があるので、病院に呼ばれているらしい。
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