第二十二章 遠い雷鳴 二

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 病院に到着すると、岩崎と楽斗は、同じ霊安室に寝かされていた。 遺体の損傷が激しく、見ない方がいいという。 でも、俺は岩崎を見ていた。  岩崎と出会ってから、まだ数か月しか経っていない。 でも、既に一生の親友であり、兄弟のような気がしていた。 岩崎は、俺の家族であった。 「……痛いよな、岩崎、俺、痛みを取れる」  もう、岩崎は痛みを感じていなかった。脳の光が消えている。 岩崎の脳は、暗闇のようであった。  手を握ろうとすると、包帯で保護されていた。 首も胸も、包帯で巻かれている。 顔は出ていたが、燃えてしまって誰なのか分からない。
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