第二十二章 遠い雷鳴 二

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 でも、岩崎に触れると思い出す。 この腕は、幾度も俺を助けてくれた。 「岩崎、出会ったのは、バス停だったよね」  慶松が、パイプ椅子を持ってくると、横に座っていた。 優しい慶松の笑顔からも、涙が落ちていた。 「もう最終バスが出たよと言うと、岩崎は驚いて地図を出していた」  道が分からないのかと、慶松が地図を見ると、かなり遠くて驚いた。 歩いて帰れる距離ではなかった。
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