第二十二章 遠い雷鳴 二

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「岩崎さん程ではありませんけど、俺も、用心棒には最適です」  御調は、見た目が怖いので、用心棒にはいいかもしれないが、俺の心がついてゆかない。 岩崎を失ったばかりで、すぐに次とはいかないのだ。 「三日後に越してきます」  御調は言い切ると、帰って行った。  俺は慌てて慶松に相談しに行ったが、慶松は知っていた。 「御調君でしょ。御調君の両親にも頼まれたよ、家事炊事、洗濯も出来るから、 住ませてくださいと。この周辺の家賃が高いので、困っていたそうだ」  御調の両親も承諾済であるのか。  しかし、どうしてこう、男ばかりと同居になるのであろう。 「それと、岩崎の家族が、俺達は葬儀に来なくていいってさ。親族だけで済ますそうだ」  家族葬をしたいと言われると、俺もどうしょうもない。 家族だけでお別れをしたいという気持ちも、よく分かる。
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