第二十二章 遠い雷鳴 二

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「そうか。分かった」  でも、人間には別れの儀式が必要なのだ。 気持ちの整理がつかないと、いつまでも、帰って来る夢を見てしまう。 「墓参りに、行こうな」 「そうだな」  ここに来てから、沢山の人と出会い、多くの別れを知った。 人の闇を知り、仕事の辛さも知った。 「ただいま」  横の道を里見が歩いていた。 今日は、土曜日であるが、里見はリハビリに行っていた。 頑張ってきたのならば、おいしい食事を作ってあげたい。 「里見、頑張ってきたの?」  俺は、家に帰ると、食事の準備を始めた。
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