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「何かあったの?」
俺は温科に、団子を渡しておく。
温科は、嬉しそうに鞄に入れていた。
しかし、俺は温科に、特許の問題をお願いしたいという下心があった。
「はいはい、祠堂の特許ね、やっていますよ」
温科は、川越からの指示で既に動いていた。
「それでね、温科さん、この特許、本当に君島教授のものなのか、
再度、確認をお願いします。どうにも、あの製品までの設計を教授がしたとは思えない」
少し、温科の手が止まると、再び凄い速さで動き出した。
「そんなに、完成されていたの?」
「はい。即、製品化が可能でした」
それに、部品の形というものには、設計者の美学があるように思える。
祠堂の製品は、美しい曲線があった。
その曲線は、祠堂の仕入先が得意とするものであった。
たかが曲線であるが、こだわりがないと出せない。
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