第三章 木の上の神様 三

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「野菜は手作りに入るかな?」 「……野菜は平気ですね。熱湯消毒するので平気なのかもしれません」  では、キャベツを出してみた。 「浅見さん、お土産」 「……どこのお土産ですか。野菜のお土産は初めて貰いました」  キャベツはダメなのであろうか。 俺は、トマトを出すと、給油室で熱湯をかけ、ついでに皮を剥いてみた。 「そのまま、食べてみて」 「!!!!美味しい!これ、トマトなのですか?」  完熟トマトであった。 「そう。完熟ね。それに、雨が降らない条件で育てているから、凝縮されていて美味しい」  仁美はいい野菜を作っていた。 このトマトなど、枯れる寸前までの過酷な条件で作られている。 だから、この木は、全力で必死に実をつける。
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