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「信哉さんにも、食べさせてあげてね」
「又、兄さんですか。たまには、私だけにもお土産をください」
でも、浅見は大切そうにトマトをハンカチに包んでいた。
「それでは、これ。恋愛成就のお守り。中の木札に二人の名前を書いて、
封印するのだそうだ」
赤い可愛いお守りであった。
「え…………」
駅前の売店で買ってしまった。
里見にあげようかと思っていたが、つい浅見に出してしまった。
「有名な神社だそうだよ」
浅見は、じっと木札を眺めていた。
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