第三章 木の上の神様 三

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 余剰となった人員は、主に地方に異動になる予定であった。 これで、川越は悩んでいたのかもしれない。  このK商事、地方というのが、途方もなく地方になる。 俺も田舎で暮らしていたが、民家を探すのに苦労する程の、田舎という時もある。  どうして、駅前でないのか、疑問に思ったが、車が主体の土地では、 駅前には意味がなかった。 それに、住民は駐車場が完備されていれば、遠方でも気にしていなかった。  地方にも工場はあるので、K商事は都会と同じ情報を持って、 地方で営業できるという強みがある。 それに、グループ全体の仕入れの量が大きいので、地方の企業よりも安価で卸せる面もある。
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