第一章 木の上の神様

6/30

188人が本棚に入れています
本棚に追加
/604ページ
 タクシーを降りると、工場の一角にある事務所に入る。 何度声を掛けても、事務所の中は暗く静まっていた。 電話があったので掛けてみたが、誰も出ない。 事務所から出て周囲を見ていると、工場の方から女性が走って来た。 「すいません、K商事さんですね。雨で停電してしまいまして、復旧しておりました。 皆、復旧にかかっておりまして……」  工場の方で、人が固まって作業している姿が見えた。 古い工場であるので、設備も古い。  アポイントを取っていた工場長が、機械のメンテナンスにかかっているというので、 先に工場見学になってしまった。
/604ページ

最初のコメントを投稿しよう!

188人が本棚に入れています
本棚に追加