第一章 木の上の神様

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 タクシーを降りると、工場の一角にある事務所に入る。 何度声を掛けても、事務所の中は暗く静まっていた。 電話があったので掛けてみたが、誰も出ない。 事務所から出て周囲を見ていると、工場の方から女性が走って来た。 「すいません、K商事さんですね。雨で停電してしまいまして、復旧しておりました。 皆、復旧にかかっておりまして……」  工場の方で、人が固まって作業している姿が見えた。 古い工場であるので、設備も古い。  アポイントを取っていた工場長が、機械のメンテナンスにかかっているというので、 先に工場見学になってしまった。
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