第三章 木の上の神様 三

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「他にもね、喜島の子供の通学路で,無人の車が衝突事故を起こしている」  社長業というのも、かなり大変らしい。 自宅も警備会社と契約しているらしいが、庭や自宅に侵入というのも発生していた。  そこで、喜島は川越の心配をしているらしい。 川越は、経営者ではないので、平気だと言っているのだが、喜島は了承しない。 喜島は川越に、暫く一緒に暮らしたらどうかと提案していた。 川越には妻子もあるので、丁寧に断っているらしい。  でも、それだけ過激な逆恨みが発生しそうというのは、 喜島の読みのほうが合っている気がする。 「氷花君、定時だよ。疲れたでしょう。帰ってもいいよ」  定時ならば、俺は帰れる。 でも、柴田の報告書を読み、俺は企画書の原案をまとめてしまった。 「氷花君、僕は帰るよ。もう温科君の姿もないからね」  企画課は、もう皆、帰宅してしまっていた。
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