第三章 木の上の神様 三

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「え、階段で降りるの……」  ここは何階であったであろう。 階数を見てから、ため息を付いてしまった。 警報は止む様子はなく、あちこちで警備員が走っていた。 「走るか……」  階段を走って降りていると、膝が笑ってしまった。 こんなに、長く階段を降りたのは、初めてかもしれない。 一階に到着すると、思わず座り込みそうになった。  一階では、エレベータ付近から煙が出ていた。 エレベータの火災であるのかと、人混みを抜けて外に出た。  すると、警察や消防が道路を埋め尽くすかのように集まっていた。 自分の会社ながら、何があったのだろうと見上げてしまった。
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