第三章 木の上の神様 三

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「まず祠堂工場を説明します」  俺は、説明しながら聡子に団子を渡した。他に、クッキーも渡しておく。 「この君島教授が不審なのだけど、その前に、氷花君は自殺の偽装を疑っているのか……」  何故、首吊りで、しかも、雷が落ちて焼死体であったのか。 それと、祠堂兄弟も気になっていた。 「はい。俺は、亡くなったのは、その後、この兄弟の援助を続けた、 父親の弟だと思っています」  自分達の援助を続けた叔父を、祠堂兄弟はあまり知らないと言っていた。 身寄りが無くなった今も、叔父とは殆ど交流がないという。  不思議に思うと、啓一が言っていた。 叔父にはトラブルがあって、素性を隠してしまったのだと。 隠れているので、無理に探さない事にしていたらしい。
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