第一章 木の上の神様

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「ここの工場は古いでしょう。中が暗いのですよ」  工場の内部に入れてくれたが、電気の点検中で暗かった。 懐中電灯を出してきたが、これでは見学にならない。まるで探検であった。  工場の周囲は森の続きのようになっていたが、門もかなり古いレトロなものであった。 昭和の初期の設定で、ドラマの回想シーンで出てきそうな雰囲気であった。 工場自体も古く、暗いと廃墟な雰囲気さえある。 「従業員の方は、どこにいらっしゃるのでしょうか?」  内部は、声もせず静まっていた。 「停電で帰宅しています。いつも、復旧に時間がかかるのですよ」  いつもというと、停電は頻繁にあるということか。
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